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なぜ注目されるか
■ 新学習指導要領・特別活動におけるエンカウンターの扱い
  2010/2/19up
文部科学省の教育課程に関する文書では初めて,小学校学習指導要領解説・特別活動編(平成20年8月)117頁13行目で,構成的グループエンカウンターに関する記述があります。なぜ取り入れられたのか,流れを追います。  
   
○学習指導要領から流れる「人間関係の重視」  
まず今回新しく,学習指導要領・特別活動の「目標」に,『人間関係』の文言が加わっています。さらにその下にある内容(小学校は,学級活動・児童会活動・クラブ活動・学校行事。中学校は,学級活動・生徒会活動・学校行事)で「目標」が新設され,そのすべてに「望ましい人間関係を形成し」の文言が加わっています。
さらに,「第3 指導計画の作成と内容の取扱」の配慮事項(2の(1))でも,「人間関係を形成する力を養う活動などを充実するよう工夫すること」が,新しく求められています。
つまり,特別活動で人間関係の形成を重視することが学習指導要領で打ち出されました。








   
○小学校学習指導要領解説・特別活動の「人間関係」からエンカウンターへの流れ  
まず,特別活動の目標にある「人間関係」は,「社会的な資質の育成」という文脈で解説を加えられています(解説11頁10-28行)。
エンカウンターは本音のふれあいによる自他発見によって,人格形成と社会性を発展させ,自分なりの生き方を発見し,それに向けて進んでいく勇気が養われるので,まさにこの文脈はエンカウンターの特徴に適合しています。
次に,この目標を実現する内容の一つである「学級活動」では,望ましい人間関係を「互いに尊重しよさを認め合えるような人間関係」と定めて,楽しく豊かな学級生活づくりを求めています。
そして,第4章の「第2節 内容の取扱についての配慮事項」で,学習指導要領6章(特別活動)の第3の2の(1)について,「(4)人間関係を形成する力を養う活動を充実すること」として,2頁弱に渡って解説をしています。その中で,特別活動の各内容の特質に応じて,ソーシャルスキルトレーニングとともに,構成的グループエンカウンターを効果的に取り上げることに言及されています。
 
   
○小学校学習指導要領解説・特別活動〜該当箇所引用〜  
第4章 指導計画の作成と内容の取扱い
 第2節 内容の取扱についての配慮事項
  1 学級活動,児童会活動,クラブ活動の取扱い
    (116-117頁)
 
(4) 人間関係を形成する力を養う活動を充実すること
 児童相互の心理的結び付きは,同じ目的に向かって協力したり達成感を共有したりするときに強くなる。具体的には,学級や学校生活の向上を目指した活動目標や,その目標を達成するための方法や手段を全員で考えたり,役割を分担して実践したり,実践の過程で互いのよさに気付いたりすることによって望ましい人間関係は形成される。このようなことから,教師は,日ごろから学習活動や集団活動を通して友達のよさに着目させたり,学級活動の授業として取り上げたりして,それらに積極的に目を向けようとする態度を育成することが大切である。
 また,児童会活動やクラブ活動,学校行事などにおけるそれぞれの集団や集団活動の特質に即して,他者とのかかわり方などに関する自己の生き方についての考えを深めたり,自己を生かす能力を養ったりすることが大切である。
発達の段階に即した人間関係を形成する力については,学級活動の内容に示した〔第1 学年及び第2 学年〕の「仲良く助け合い」や〔第3 学年及び第4 学年〕「協力し合って」,〔第5 学年及び第6 学年〕「信頼し支え合って」を目指して指導することが求められる。具体的には,特別活動における実践活動や体験的な活動を通して,例えば次に示したようなことについての考えを深め,望ましい認識をもてるようにするとともに,その大切さを児童自身が実感できるようにし,実際の集団活動の中で実践できるようにすることが考えられる。
○ 低学年においては,学級生活を楽しくするために,うそをつかないこと,約束を守ること,人が嫌がることを言ったりやったりしないこと,どの児童とも仲良くすること,けんかをしたらあやまるなどして仲直りをすること,どの児童の考えもよく聞くこと,困っている人に親切にしたり,声をかけたりすることなど助けること。
○ 中学年においては,楽しい学級生活をつくるために,相手のことを思いやって話し合ったり言動したりすること,時には自分の考えを通すのではなくがまんをすること,誰にでもよいところがあり,それらを認め合い,力を合わせたり協力し合ったりしてよりよい生活を築くこと,暴力でなく言葉で解決すること。
○ 高学年においては,楽しく豊かな学校生活をつくるために,男女など互いのよさを認め合ったり生かし合ったりするなど支え合うこと,誰に対しても差別や偏見をもつことなく,相手の立場に立って考えたり行動したりすること,多様な意見を大切にして話し合うこと,幼児や高齢者など相手に応じたふさわしい言動をしてよりよい関係をつくること,マナーを守って集団生活をすること。
その際,例えば,次のような活動を一層重視することが大切である。
○ 学級や学校の生活上の諸問題について,言葉や話合いを通して解決するための学級会や楽しい学級生活をつくる係活動や集会活動
○ 協同の目標の実現を目指して,同年齢で協力して行う学級における様々な集団活動
○ 世話をしたり,世話をされたりするような異年齢による交流活動
○ 児童会活動やクラブ活動,学校行事などにおいて,地域の人々と,触れ合ったり会議をしたりする活動や,あいさつや言葉遣い,正しい敬語などを活用してコミュニケーションを図るような交流活動
 なお,特別活動の各内容の特質に応じて,例えば,「意図的にあるグループ作業を行わせ,ここで感じたことなどを率直に話し合うことにより人間関係を形成するために大切なことを理解させる手法」や「人間関係を形成するための基本的な知識や方法などについて,ロールプレイングやグループで練習をするような手法」を,効果的に取り上げることも考えられる。その際,このような手法を学級活動の「(2)日常の生活や学習への適応及び健康安全」の「(ウ)望ましい人間関係の形成」の授業において活用する場合は,日常の生活と関連付けながら,集団での話合いを通して,個人の目標を自己決定し,個人で実践するなどの指導方法の特質を十分に踏まえて活用する必要がある。
 なお,このような手法については,朝や帰りの会,学校行事等の様々な機会を効果的に活用するなどして,学級活動においてその他の内容の指導に充てる授業時数とのバランスを欠くことがないよう留意する必要がある。

 小学校学習指導要領解説・特別活動編(平成20年8月)全文
 
 
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