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■■ガイダンスカリキュラム(GC)の広場
−「授業型の生徒指導」の最新情報−

 
4.シンポジウム(2010)
ガイダンスカリキュラムを担う「ガイダンスカウンセラー」の仕事

趣旨説明
 
   
   
●趣旨説明
2010.11.15 UP
『ガイダンスカウンセラー』とガイダンスカリキュラム
―八並光俊先生―


現在スクールカウンセリングに関連した資格付与学会ならびに機構等が連携し,スクールカウンセリング推進協議会(以下,SC協議会と略記)を設立し,ガイダンスカウンセラーという新たな資格制度の構築を目指しています。今回この動きをうけて,今回はガイダンスカウンセラーの中核業務としてのガイダンスカリキュラムというテーマで自主シンポジムを企画しました。個人的には,私もSC協議会の一員として議論にかかわっております。

●ガイダンスセラーの定義
ガイダンスカウンセラーとは,一体何をするのでしょうか。SC協議会の定義では,「ガイダンスカウンセラーとは,幼・小・中・高校・中等教育学校,特別支援学校,大学及び高等専門学校において,子どもの学習面,人格・社会面,進路面,健康面における発達を援助する専門家です。すべての子どもの発達課題に対する一次的援助サービス,苦戦している子どもの援助ニーズに応じる二次的援助サービス,不登校や発達障害などで特別な教育ニーズのある子どもに対する三次的援助サービスを,リーダーあるいはコーディネーターとして行います。さらに地域と連携して子どもたちの支援にあたるとともに,家庭の支援を行います。」となっています。

●ガイダンスカウンセラーの特徴
また,ガイダンスカウンセラーの特徴として,「 @子どもの学校生活における問題に幅広く対応する。A子どもが集団のなかで育つのを援助する。B援助チーム,学校・家庭・地域のネットワークで,子どもを育てる。」の3点がかかげられています。さらに,ガイダンスカウンセラーの提供サービスとして,@アセスメント,A個別の対応,Bグループの対応,Cコンサルテーション・コーディネーションの4点があげられています。

●精神保健ではなく発達の援助
SC協議会の設立趣旨にもあるように,ガイダンスカウンセラーは,学校教育に役立つ「子どもたちの発達課題を解き成長を援助するスクールカウンセリング」を提供します。では,これらの点を踏まえて,精神保健に関する学問を基礎とする臨床心理士資格のスクールカウンセラーと比較した場合,ガイダンスカウンセラーはどのような特色をもっているのでしょうか。また,ガイダンスカウンセラーとガイダンスカリキュラムはどのような関係にあるのでしょうか。私が作成したプレゼン資料をご覧ください。

●ガイダンスカウンセラーによるスクールカウンセリング
私個人は,現状の日本の生徒指導とアメリカのスクールカウンセリング,それに教育カウンリング,学校心理学の3つの角度から,ガイダンスカウンセラーの行うスクールカウンセリングの特色を簡単に述べてみたいと思います。
第一点は,ガイダンスカウンセラーが行うスクールカウンセリングは,つぎのように特徴づけられます。
(1)段階的でバランスのとれた構造(Tiered and Balanced Structure)
ガイダンスカウンセラーが行う教育的援助サービスは,学校心理学でいわれるように,援助ニーズの程度によって,段階的に層別化されています。つまり,すべての子どもを対象とした成長促進的な一次的教育援助サービス,苦戦している一部の子どもを対象した予防的(早期解決的)な二次的教育援助サービス,特別なニーズをもつ特定の子どもを対象とした問題解決的な三次的教育援助サービスです。
(2)総合的で発達的アプローチ(Comprehensive and Developmental Approach)
ガイダンスカウンセラーは,すべての子どもの学業面(academic development),人格・社会面(personal and social development)進路面(career development),健康面(mental and physical development)に関する悩みや問題を,子ども自身,教職員,保護者,関係機関等と連携・協力して解決し,なおかつ,健全な成長のための発達促進を図ります。
(3)データ駆動型・計画的アプローチ(Data Driven and Planned Approach)
ガイダンスカウンセラーは,自己もしくは教職員・保護者からの主観的データだけでなく,子どもたちの声を吸い上げ,なおかつ行動観察や調査・検査等の客観的手法によって実態把握を行い,問題分析や自助資源・援助資源の推定を行います。私は,学年の初期に行うこのような子どもたちや学級の実態把握を目的としたアセスメントを,「イニシャルアセスメント」と呼んでいます。このイニシャルアセスメントのデータ分析に基づいて,計画的に教育的援助サービスを提供します。

●ガイダンスセラーが行うサービス
ガイダンスカリキュラムの提供サービスとしては,次の5つが挙げられます。@アセスメント(イニシャルアセスメント,チームアセスメント,リスクアセスメントなど),Aカウンセリング(個別カウンセリング,小集団カウンセリング,保護者カウンセリンなど),Bガイダンスカリキュラム(教育課程に位置付けた授業型ガイダンスカリキュラム,特定集団を対象としたガイダンスプログラム,保護者を対象としたガイダンスプログラムなど),Cコンサルテーション(個別ケースに対するコンサルテーション,教職員に対するコンサルテーション,保護者や関係機関等スタッフに対するコンサルテーションなど),Dコーディネーション(保護者,地域,関係機関等とのコンサルテーション)。

●一次援助・アセスメント・ガイダンスカリキュラム
以上の3つの特徴から,臨床心理士資格のスクールカウンセラーとガイダンスカウンセラーを比較すると,プレゼンテーション資料が赤色で着色した部分,すなわち,ガイダンスカウンセラーは,すべての子どもを対象とした成長促進的な一次的教育援助サービスに重点を置きながら,子どもたちの学業面や進路面の発達促進を援助します。また,提供サービスのうち,アセスメントを重視し,ガイダンスカリキュラムによって計画的・段階的・系統的な発達援助を行い,学級担任,生徒指導・教育相談・進路指導担当,管理職,相談員・学生ボランティア,保護者,関係機関等スタッフに対して,コンサルテーションを行います。特に,ガイダンスカウンセラーの行うコンサルテーションは,授業改善,学級経営・学年経営に有効な専門的な助言を含みます。

●学校を多面的に支援する
したがって,ガイダンスカウンセラーは,たんに子どもが抱えている悩みや問題の解決にとどまらず,子どもたちの学校生活の質の向上を図るために,学校改善や学校経営にも深くかかわることになります。つまり,私が示しているように,ガイダンスカウンセラーの援助実践は,機能面では生徒指導を切り口に,学習指導,キャリア教育,特別支援教育を相互連関し,さきほど申し上げたように,マネジメントという観点では,ケースマネジメントだけではなく,授業改善・開発,カリキュラム開発,学級・学年経営におおきな影響を与えます。また,ガイダンスカウンセラーのコンサルテーション・コーディネーションによって,教職員集団の組織改善,保護者に対する教育的援助による学校と家庭の結束,学校と関係機関等とのネットワーク体制の確立などをサポートし組織化を図ります。

●GCが教育カウンセラー・ガイダンスカウンセラーの中核
こうしたガイダンスカウンセラーの鳥瞰図と特色を理解していただければ,ガイダンスカリキュラムは,教育カウンセラーの特色であると同時に,ガイダンスカウンセラーの中核業務であることは容易に理解できると思います。今回のシンポジウムでは,最新のガイダンスカウンセラー資格の創設の動きを見据えたながら,ガイダンスカリキュラムの教育効果と実践をしていく上での学校経営的な側面から話題提供をしていただいております。

※注意事項
プレゼンテーション資料を引用・参考文献として使用される際は,プレゼンテーション資料最後の「プレゼンテーション資料に関する注意」に従ってください。

 
   
   
2009年シンポジウムの記録はこちら   
2008年シンポジウムの記録はこちら                 
 
   
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