司書・司書教諭について

司書とは、正式には図書館法が定める公立図書館の専門職員の職名ですが、普通は、図書館や資料室に働く人たちの総称となっています。資料は、検索しやすいように類似した内容や形態でコード付け(分類)を行い、記録作成(目録)を行います。利用者の相談にのったり、質問に答えたりするのも司書の仕事です。
司書補の仕事は、司書を補佐します。
図書館には、国立国会図書館、公立図書館、私立図書館、大学の図書館等があり、それぞれ採用方法が異なります。
学校の図書館で、司書・司書補のような専門的な仕事に従事する人たちを、司書教諭・学校司書と呼びます。学校司書(図書館事務職員ともいう)とは、法的には規定されていませんが、司書教諭を補佐することを職務としています。
小学校・中学校・高校・盲学校・ろう学校・養護学校には学校図書館を設置することが義務づけられており、これらの学校図書館で図書の収集・整理・管理などの専門業務を行うとともに、子供たちに本への興味をわかせる取り組みなどを行います。

公立図書館の職員採用の実態は、最初から司書(補)の資格所持を前提として専門試験を行い、図書館に採用する場合と、司書補の資格の有無を問わずに、地方公務員行政職の試験を受けて採用され、図書館に配属される場合がありますが、後者の場合、かならずしも図書館に配属されるとは限りません。
国立大学の図書館司書になるには、国家公務員採用試験のU種の「図書館学」に合格しなければなりません。合格すると採用候補者名簿に登録され、採用希望大学が面接等を行い採用されることになります。
私立大学の図書館司書は公募が多く、独自に採用試験を実施します。
国立国会図書館は、国家公務員採用試験とは別に、職員採用試験を実施します。
学校図書館の現状として、教育委員会から正式辞令をもらっている公立学校の司書教諭は、全国でも200人以下、一方学校司書は約7,000人です。学校司書の何割かは司書(補)・司書教諭のいずれの資格ももたずに働いています。文部省では平成4年に、全国の学校図書館調査を行い、図書館の充実を図ろうとしていますが、種々の問題があり、特に職員については採用が進んでいません。

司書(補)
    資格取得方法は、大学・短大在学中に図書館に関する科目を履修する方法の他に、文部大臣の委嘱を受けた大学の実施する養成講座を修了する方法がある。
     
  ☆養成講座の受講資格
    《司書》
     @大学・短大に2年以上在学し、62単位以上を修得した者
     A司書補として2年以上の実務経験を有する者
    《司書補》
     @高校卒業者
     A高等専門学校3年修了者
  ☆講習内容(司書)
    [必須科目]
     生涯学習概論・図書館概論・図書館経営論・図書館サービス論・情報サービス概説・
     レファレンスサービス演習・情報検索演習・図書館資料論・専門資料論・資料組織概説・
     資料組織演習・児童サービス論
    [選択科目]
     図書及び図書館史・資料特論・コミュニケーション論・情報機器論・図書館特論
       (この中から2科目選択)
    *司書補については別に定めがあります。各団体に問い合わせて下さい。
  ☆難易度
    ほぼ100%です。
     
司書教諭
    資格取得方法は、大学・短大在学中に所定の単位を履修する方法の他に、文部大臣の
    委嘱を受けた機関の養成講座を、修了する方法がある。
  ☆養成講座の受講資格
   @小学校・中学校・高等学校・盲学校・ろう学校・養護学校の教諭の免許状を有する者
     A大学に2年以上在学する学生で、62単位以上を修得した者
    《司書補》
     @高校卒業者
     A高等専門学校3年修了者
  ☆履修内容
   @学校図書館通論 A学校図書館の管理と運用 B図書の選択 C図書の整理
     D図書以外の資料の活用 E児童生徒の読書活動 F学校図書館の利用指導
     
国立国会図書館職員
    国立国会図書館は司書だけではなく、次の重要な機能も果たし、独自の採用を行っています。
     ・ 調査業務 : 法案等案件の調査・分析など国会の審議を補佐する業務
     ・ 司書業務 : 一般公衆の学術研究、知的生活のための図書館資料の収集・閲覧・利用など
              に応じる業務
     ・ 一般行政事務 : 組織機構の維持管理
    採用試験にはT種U種(大卒程度)V種(高卒程度)の区分があります。
  ☆受講資格
    《V種》
     受験年度の4月1日現在、17歳以上23歳未満の者で、高校卒・短大卒・高専卒、または
     卒業見込みの者
    《U種》
     受験年度の4月1日現在、21歳以上26歳未満の者、ただし短大卒・高専卒(卒業見込み)
     の者は19歳以上
    《T種》
     受験年度の4月1日現在、21歳以上29歳未満の者
  ☆試験内容
  《V種》
     [1次] @教養(多肢選択式) A国語(記述式) B英語(記述式) C作文
     [2次] @面接試験 A健康診断
    《U種・T種》
     [1次] @教養(多肢選択式)
     [2次] @専門(記述式=法学、政治学、経済学など12科目のうちから1科目選択)
          A外国語(記述式=英語、ドイツ語など6か国語のうちから1か国語選択)
          B小論文(T種のみ)
     [3次] @口述試験(T種のみ、2次試験の小論文の内容について行う)
          A面接試験 B健康診断
  ☆難易度
    T・U・V種とも1%前後の大変低い合格率となっている。

□企業・団体作成ホームページへのリンク集

日本図書館協会 - 全国の図書館と図書館員によって組織する団体の案内。図書館宣言等の資料、関連行事の案内等。
国立国会図書館 - 国立国会図書館のページ。総合案内や納本案内、和図書・雑誌の情報検索サービスを提供。

□個人作成ホームページへのリンク集

司書教諭になろう! - 司書教諭に必要な資格、単位、通信教育の仕組みを説明。投稿レポート集。
図書館司書になろう! - 近畿大学通信教育課程でのスクーリング、レポート集。
としょかんすくえあ - 公共図書館員によるコラムや司書になる方法等。